システム開発の上流工程を担うSEの将来性

システム開発における上流工程は、クライアントが求めているニーズを聞き取って、実現可能なシステムを設計する仕事です。その工程があって初めて、下流工程を担当しているプログラマーに業務を振り分けることができます。上流工程を担当するSEにはさまざまなスキルが求められるため、下流工程のプログラマーから経験を積んでいって、上流工程のSEにキャリアアップするパターンも珍しくありません。
上流工程では、エンジニアとしてのスキルに加え、コミュニケーション能力も必要とされます。クライアントと直接的に接する機会が多いため、社会人としての基本的なビジネスマナーはもちろん、高いヒアリング能力が求められるのです。
クライアントのなかには、システム開発に詳しくない人もおり、知識がないためにうまく言葉で表現できない場合もあるでしょう。そんなときに、相手の考えをくみ取って、的確に提案できるSEが選ばれるのです。「この人になら何でも安心して任せられる」とクライアントの信頼を得られたら、継続的に仕事を依頼される可能性も高くなります。

上流工程のSEは、チーム全体の統括を任されることもあります。この場合は、どの工程にどれだけの時間と人員を配置するのか、チームのスケジュールを管理するマネジメント能力が求められます。スムーズに作業を進めるためには、欠かせないスキルです。
エンジニア不足が叫ばれており、SEの需要が高い状態が続いていますが、この状況が今後も続くという保証はありません。10年後も20年後も重宝される人材になるためにも、ヒアリング能力やマネジメント能力など、エンジニア以外のスキルを習得することも大切です。